「鶏肉生焼けだけど、食べちゃった。大丈夫かな?」
鶏肉をしっかり焼いたと思ったら、中が赤いことってありますよね。
でも、面倒くさくなってそのまま食べてしまうことがあるかもしれません。
そこで今回は、
- 鶏肉が加熱不十分でも大丈夫なのか?
- 潜伏期間はどのくらいなのか?
- どんな症状が出るのか?
- 鶏肉で食中毒になってしまった時の対処法
についてお伝えしたいと思います。
目次
鶏肉が加熱不十分でも大丈夫なのか?
大丈夫ではありません。
鶏肉の表面だけでなく中まで十分に、加熱することが大事なのです。
発生件数が一番多い食中毒は、カンピロバクターと呼ばれる食中毒です。
カンピロバクターで厄介なのは、ごく少量でも鶏肉に菌が付着したら危険なのです。
調理時の加熱が不十分だった場合、菌が死滅することなく人の体内に入り込み、食中毒を引き起こします。
逆に言えば、しっかりと加熱を行うことで、その感染を防ぐことが出来るというわけです。
しかし、豚肉などと違い、鶏肉が原因の食中毒は、未だに認知度が低いのです。
その影響からか、十分な加熱を行わずに食べてしまった事例が相次いでいるようです。
鶏肉食中毒の主な原因と菌の生息地
鶏肉食中毒の原因は、ほぼカンピロバクターです。
主な生息場所は、
- ウシ
- ブタ
- ヒツジ
- ニワトリ
- イヌ
- ネコ
- ハト
などの動物の消化管内で、これらの動物のふん便から検出されることがあります。
その他、生の鶏肉を食べてカンピロバクター以外の食中毒菌にかかる方もいるので紹介します。
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サルモネラ属菌
カンピロバクターではなく、サルモネラ菌に感染する方もいます。
家畜(牛、豚、鶏)や家禽、ペット類などの腸管に高い確率で存在します。
発症原因は、汚染された卵や食肉、鶏肉などを使用して作られた加熱不足の加工品や保菌者による二次感染からです。
潜伏期間や回復期間はどのくらいなのか?
それぞれの潜伏期間や回復期間を以下に示します。
「カンピロバクター」
- 潜伏期間:2~5日
- 回復期間:4~5日と長い
「サルモネラ属菌」
- 潜伏期間:12~48時間
- 回復期間:2~3日
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どんな症状が出るのか?
カンピロバクターの症状
- 下痢
- 腹痛
- 発熱
- 悪心
- 嘔気
- 嘔吐
- 頭痛
- 悪寒
- 倦怠感
などです。
多くの患者は、1週間ほど治癒します。
死亡例や重篤例はまれです。
しかし、乳幼児や高齢者、その他抵抗力の弱い方では重症化する危険性もあり、注意が必要です。
更に、カンピロバクターは感染期間が数週間以上続くと他の病気を併発してしまう恐れがあります。
それは、ギラン・バレー症候群です。
この病の症状は、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こします。
サルモネラ属菌の症状
- 腹痛
- 嘔吐
- 下痢
- 粘血便
などです。
それと、子供や高齢者、免疫力が低下している人の場合、深刻な病気にかかる恐れがあります。
それは、細菌が血液の中に拡散する「菌血症」です。
この症状が出てしまうと、脱力感や錯乱、吐き気などが重症化する事があります。
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鶏肉で食中毒になってしまった時の対処法
鶏肉の加熱不足を原因とする食中毒を防止するために、次のことに気をつけましょう。
1.しっかり加熱しましょう~生焼けには注意~
鶏肉を安全に食べるには、加熱して食中毒菌等をやっつけるしかありません。
食中毒を引き起こす細菌やウイルス等は熱に弱いため、十分に熱を加えれば死滅します。
加熱の目安は、中心温度75℃・1分以上(肉の色がピンク色から褐色に変わり、肉汁が透明になること)です。
右の写真のように、表面が焼けていても中がまだ生のこと(生焼け状態)があります。よく確認してから食べましょう。
2.調理器具などは使い分けましょう
焼き肉やバーベキューなどでは、生の肉を扱ったはしに、細菌等がつく場合があります。
せっかく肉を加熱しても、生の肉を扱ったはしで食べてしまったために、食中毒が発生した事例があります。
食べるはしとは別に、肉などを焼くはしやトングを用意しましょう。
生の肉を切ったまな板で他の食品を調理したら危険です。
細菌等がついて食中毒が発生した事例もあります。
生の肉用の調理器具と他の食品の調理器具を使い分けましょう。
使い分けが難しいときは、生の肉の調理後に、熱湯や塩素系漂白剤で調理器具を消毒しましょう。
鶏肉の生食は避けましょう。
重篤化することがあります。
生の鶏肉は新鮮=だから安全ではありません。
生の肉には必ず食中毒のリスクが残りますので、中心部まで十分に加熱してから食べるようにしましょう。
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予防方法
予防方法をポイント形式で説明していきます。
ポイント1:食品の購入
■肉、魚、野菜などの生鮮食品は新鮮な物を購入しましょう。
■表示のある食品は、消費期限などを必ず確認し、購入しましょう。
■購入した食品は、肉汁や魚などの水分がもれないようにビニール袋などにそれぞれ分けて包み、持ち帰りましょう。
■特に生鮮食品などは、買い物の最後にし、購入したら早めに帰るようにしましょう。
ポイント 2:家庭での保存
■冷蔵や冷凍の必要な食品は持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
■冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう。めやすは、冷蔵庫や冷凍庫の7割程度です。
■冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に維持することが目安です。
■温度計を使って時々温度を計るとよいでしょう。
■細菌の多くは、10℃では増殖がゆっくりとなり、-15℃では増殖が停止しています。
しかし、細菌が死ぬわけではありません。早めに使いきるようにしましょう。
■肉や魚などは、ビニール袋や容器に入れ、冷蔵庫の中の他の食品に肉汁などがかからないようにしましょう。
■肉、魚、卵などを取り扱う時は、取り扱う前と後に必ず手を洗いましょう。(細菌汚染を防ぐ)
■食品を流し台の下に保存する場合は、水漏れなどに注意しましょう。
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ポイント 3:下準備
■台所を見渡してみましょう。
ゴミは、きちんと捨ててありますか?
タオルやふきんは、清潔なものと交換してありますか?
せっけんは用意してありますか?
調理台の上は片付けて広く使えるようになっていますか?
もう一度、チェックをしましょう。
■井戸水を使用している家庭では、水質に十分注意して下さい。
■手を必ず洗いましょう。
■生の肉、魚、卵を取り扱った後には、手を洗いましょう。
途中でペット等動物に触ったり、トイレに行ったり、おむつを交換したり、鼻をかんだりした後の手洗いも大切です。
■生の肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べる物や調理の済んだ食品にかからないようにしましょう。
■生の肉や魚を切った後、その包丁やまな板を洗いましょう。
洗わないまま果物や野菜などの食品や調理の終わった食品を切ることはやめましょう。
生の肉や魚を切った包丁やまな板は、洗ってから熱湯をかけた後に使うことが大切です。
包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて、使い分けると更に安全です。
■ラップしてある野菜やカット野菜もよく洗いましょう。
■冷凍食品など凍結している食品を調理台に放置したまま解凍するのはやめましょう。
■室温で解凍すると、食中毒菌が増える場合があります。
解凍は冷蔵庫の中や電子レンジで行うとよいでしょう。
また、水を使って解凍する場合には、気密性の容器に入れ、流水を使います。
■料理に使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理しましょう。
解凍した食品をやっぱり使わないからといって、冷凍や解凍を繰り返すのは危険です。
冷凍や解凍を繰り返すと食中毒菌が増殖したりする場合もあります。
■包丁や食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどは、使った後すぐに、洗剤と流水で良く洗いましょう。
ふきんのよごれがひどい時には、清潔なものと交換しましょう。
漂白剤に1晩つけ込むと消毒効果があります。
包丁、食器、まな板などは、洗った後、熱湯をかけたりすると消毒効果があります。
たわしやスポンジは、煮沸すればなお確かです。
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ポイント 4:調理
■調理を始める前にもう一度、台所を見渡してみましょう。
下準備で台所がよごれていませんか?
タオルやふきんは乾いて清潔なものと交換しましょう。
そして、手を洗いましょう。
■加熱して調理する食品は十分に加熱しましょう。
加熱を十分に行うことで、もし、食中毒菌がいたとしても殺菌することができます。
目安は、中心部の温度が75℃で1分間以上加熱することです。
料理を途中でやめてそのまま室温に放置すると、細菌が食品に付いたり、増えたりします。
途中でやめるような時は、冷蔵庫に入れましょう。
再び調理をするときは、十分に加熱しましょう。
■電子レンジを使う場合は、電子レンジ用の容器、ふたを使い、調理時間に気を付け、熱の伝わりにくい物は、時々かき混ぜることも必要です。
ポイント 5:食事
■食事の前には手を洗いましょう。
■清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛りつけましょう。
■温かく食べる料理は温かく、冷やして食べる料理は冷たくしておきましょう。
目安は、温かい料理は65℃以上、冷やして食べる料理は10℃以下です。
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ポイント 6:残った食品
■残った食品を扱う前にも手を洗いましょう。
■残った食品はきれいな器具、皿を使って保存しましょう。
■残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。
■時間が経ち過ぎたら、思い切って捨てましょう。
■残った食品を温め直す時も十分に加熱しましょう。目安は75℃以上です。
■味噌汁やスープなどは沸騰するまで加熱しましょう。
■ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てましょう。口に入れるのは、やめましょう
鶏肉の食中毒まとめ
- 鶏肉食中毒の原因のほとんどは、カンピロバクター!
- 潜伏期間は、菌によって 多少違う!
- ほとんどは2~7日で、長いのだと2~9週間だということ!
- 鶏肉食中毒症状と普通の腹痛の見分け方は、何週間も下痢や腹痛、嘔吐が続く事の違い!
それと、僕の記事を読んで、少しでも気になったことがありましたら、コメント頂ければと思います。
今後も健康に関する有力情報を配信していきます。